POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 かずまるの音楽日記

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フルート三重奏 「銀雪を駆けて」

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皆様、こんばんは、おはようございます、こんにちは。田丸です。

就業時間が長いと疲れますねぇ。。。がんばれ独り立ち!

 

 

銀雪を駆けて おすすめフルートアンサンブル(三重奏)

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さて、タイトルの「銀雪を駆けて」ですが、何だと思われますか???

 

 

 

本のタイトル?

 

RPGのBGMのタイトル?

 

ゲームのタイトル?

 

 

 

 

 

 

こちらです。

 

演奏動画

www.youtube.com

 今をときめくプロフルート奏者達、白石法久さん、金野紗綾香(元シエナウィンドフルート奏者)さん、西田紀子(シエナウィンド フルート奏者)さんの 3名による演奏!です。

 

演奏&作曲 経緯

金山徹さん主催の第一回江古田フルート祭の企画として、フルート3重奏 or 4重奏作曲作品が公募されました。その情報を得た私は「これはチャンス!」とばかりに集中してフルート三重奏を作ったのでした。

結果は、見事当選。2作品選ばれましたが、両方とも全会一致だったそうです。大変光栄で、その時は跳びあがるような喜びを感じたことを覚えております。

 

プロ奏者3名による演奏もとてつもないご褒美でした。

 

もう数年も前の事なのですが、あまりの出来事に、リハーサルに伺ったときの大緊張もイベント当日の喜びも鮮明に覚えてます。

 

タイトルと曲調について

フルートの音って、とても美しい。優しく暖かく、丸みのある音をしていますよね。

私は、フルートの音色のイメージの一つに、雪や冬の光景があると思っています。

雪がちらちら、ゆっくりと舞い降りてくる様子なんか、複数のフルートで演奏するととても雰囲気が出るなぁと思っています。

この曲はフルートのそういうイメージをもとに書いてみました。

タイトルはそれにちなみます。英語のタイトルは"Run through a snow-covered forest"です。

「雪をかぶった森の中を走り抜けていく」イメージを持って作曲しました。疾走感あふれるさわやかな曲調になっていると思います。

 

楽曲解説

4分の2拍子、ヘ長調、アレグロ。

主調はヘ長調としていますが、頻繁に平行調のニ短調の和音が鳴らされ(再現部はニ短調の和音で開始されたりします)、どっちつかずの調性感の曖昧な楽曲ともいえると思います。形式的には伝統的なソナタ形式を踏襲しております。

よって、調性配置は以下のようになります。

  • 提示部 第一主題:ヘ長調
  • 提示部 第二主題:ニ短調(平行調)
  • 再現部 第一主題:ヘ長調(ただし、開始和音はニ短調)
  • 再現部 第二主題:へ短調(同主調)

第一主題は16分音符と8分音符による軽快なもので、対する第二主題は息の長く歌い込むものになっています。

後述しますが、第二主題は高音の装飾的な伴奏に伴われたフルート3番による低音域に表れるのが特徴です。

旋律が高音にも低音にも配置されることで、聴覚上はもちろんですが、演奏する上においても楽しめるつくりとなっています。

 

個人的なこだわりポイントを少しだけ、展開部第二節とでも言いましょうか、リハーサルマークFから現れる、Bbの伸ばしの音。これは、「光がいきなりともって、徐々に弱くなっていく」イメージです。このBb(およびその後B)の伸ばしが何回かでてきますが、雪がちらちら待っているなかで、何度も異なる方向から光が「ぽーっ」とともるようなイメージで作っています。

ここについては珍しく、というのも普段はもっとぼんやりとあいまいなものを想定しているので、明確なイメージがあります。

 

演奏上の注意点

注目していただきたい点はいろいろあるのですけれども、第二主題を最初に奏でるのは第三フルートです。第一、第二フルートが高い音域で飾っているところ、フルートの弱点ともいえる(が、しかし魅力もまたある)低い音域で情感たっぷりに歌い上げます。

通常のフルートの最低音Cまで使う、結構ハイレベルな箇所のようですが、決まると格好いいと思います。

 

そういえば、友人たちに演奏していただいたことがありました。その演奏を聴かせてもらったのですが「あー、すごくいい曲(爆)」と思った記憶があります。

 

 

とまぁ、爆弾をぶっ放してみましたが、実際のところは「演奏がよかった」のです。音楽の自然な流れと3人の息の合い方。フルートの技量。どれも、いいバランスで保たれていたのです。

 

「いい曲だな」と感じる条件の一つに「演奏がいいこと」というのがあげられます。

これ本当です。もし可能なら同じ曲を聞き比べてみてほしいです。特に気に入らないと思った曲を。。。

楽曲に息を吹き込むのも、殺すも演奏しだい。というのはあります。出来が悪い曲でも演奏さえよければ、「あれれ、こんないい曲だったっけ?」となったりするものです。

 

作曲するときはもちろんいい曲になるようにがんばるのですが、自分が演奏するときはその曲がいい曲に聞こえるように!と心がけています。

 

ちょっと、脱線しました。。。

奏者をほめましたが、やっぱり、曲もいいと思いますー。

 

ちょうどこの時期によいのではないでしょうか?

 

楽譜の入手

フォスターミュージックさんで取り扱っています。

www.fostermusic.jp

 

何度かアンサンブルコンテストで取り上げていただいているようです、難易度高めですが、「既存の3重奏はやりつくした…」という方や、「フルートの腕を魅せてやりたい!」という方にはお勧めです。

3rdが難しい上に美味しかったりします。

 

関連記事 アンサンブル作品集

珍しい編成。2本のオーボエとピアノのための小品です。

www.petit-orchestra.jp

 

2019/06/14現在、唯一の打楽器アンサンブル曲

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